自己免疫性
自律神経障害とは

「自己免疫」による「自律神経系の変調」

人体には免疫というはたらきが備わっています。これは体内に入ってこようとするウイルスなどを異物として認識して、これらを攻撃・排除しようとするシステムです。
「自己免疫」とはこの免疫の誤作動によって、無害な自らの組織や細胞を攻撃してしまう状態です。これによって神経系や臓器、関節、皮膚といった身体の様々な部位に病気を発症させ、これを自己免疫疾患と呼んでいます。
「自己免疫」の標的が「自律神経系」である場合、自己免疫性自律神経障害となります。これによってさまざまな自律神経症状を呈します(参照:「症状」のページ)。「自己免疫」による「自律神経系の変調」としては

  • 自己免疫性自律神経節障害
  • 急性自律性感覚性ニューロパチー
  • 自己免疫性消化管運動障害

が挙げられます。
これら以外には

  • 体位性起立性頻脈症候群
  • 特発性後天性全身性無汗症

の一部にも自己免疫によるものがあると推測されています。

文責
中根俊成(日本医科大学付属病院脳神経内科)