研究代表者あいさつ

「自己免疫性自律神経障害の全国調査、診断基準策定、国際的な総意形成」班のスタートに際して

自律神経症状をきたす疾患はこれまでに多くのものが知られています。私が専門とする神経疾患だけではなく、糖尿病などの内科疾患でも自律神経症状が出現します。この研究班は免疫を介して起こる自律神経疾患(すなわち自己免疫性自律神経障害)にフォーカスします。それは

  • 自己免疫性自律神経節障害
  • 急性自律性感覚性ニューロパチー
  • 自己免疫性消化管運動障害

であり、この3疾患が調査対象となります。
これら3疾患以外にも、免疫が介した自律神経系の変調・不調を思わせる疾患、症状はあるのですが、まずはこの3つでスタートします。
本研究班には脳神経内科、リウマチ膠原病科、消化器内科、小児科のスペシャリストにお集まりいただきました。そして、自己免疫性自律神経障害の全国調査、その調査に基づいた診断基準の策定をミッションとしています。
自律神経系を標的とした自己抗体の測定法は国際的には乱立する傾向にあり、3疾患について国際的な総意形成も目指したいと思っています。
調査に際しましてご協力をお願いすると思います。また、さまざまなご意見やアドバイスも頂戴できますと有難く存じます。本研究班の活動をどうぞよろしくお願いいたします。

日本医科大学付属病院脳神経内科 准教授

中根 俊成