自己免疫性自律神経節障害(AAG)
一次調査組入基準
A)臨床症状
- 起立性低血圧
- 起立不耐(立ちくらみ、動悸など) ※体位性頻脈症候群を含む
- 下部消化管運動障害(便秘、下痢、イレウスなど)
- 瞳孔異常、対光反射異常
- 乾燥症状
- 発作性咳嗽
- 発汗障害
- 上部消化管運動障害(早期満腹感、胃もたれなど) ※アカラシア、食道痙攣を含む
- 排尿障害
- 性機能障害
B)病原性自己抗体
- 自律神経節アセチルコリン受容体抗体陽性
C)検査所見
- 起立試験もしくはヘッドアップティルト試験における起立性低血圧、体位性頻脈症候群
- 心血管系の検査異常:CVRR、MIBG心筋シンチグラフィー
- 腹部画像検査における消化管運動障害
- 薬物点眼試験における異常
- ガム試験、シルマー試験
- 発汗試験における異常
- 尿流動態検査における異常
- 血漿ノルアドレナリン低値
D)判定
- 組入基準Definite:A1つ以上+Bを認め、他の疾患を区別できる
- 組入基準Probable:A1つ以上+Cのいずれかを認め、他の疾患を区別できる
- 病原性自己抗体陽性はLIPS(長崎川棚医療センターもしくはコスミックコーポレーション)、RIA(米国研究室もしくはRSR社キット)によるものとする。
- Probable症例で病原性自己抗体未測定の場合は測定を促す(費用についてはコスミックコーポレーション測定の場合は研究費負担)。
- 今回の調査では最終的には抗体陽性AAGを調査対象とする(抗体陰性AAGは類似する疾患群との鑑別が難しく、今後の課題とする)。
- 付帯症状としては性格変化、内分泌障害などがある。
- 感覚症状は出現しうるが、自覚的な症状である。
急性自律性感覚性ニューロパチー(AASN)
一次調査組入基準
臨床経過
1ヶ月程度で自律神経障害と感覚障害が極期に達し、運動障害を認めない
臨床症状・検査所見
A)自律神経障害
- 起立性低血圧
- 起立不耐(立ちくらみ、動悸など)
- 消化管運動障害(便秘、イレウスなど)
- 瞳孔異常、対光反射異常
- 乾燥症状
- 発作性咳嗽
- 発汗障害
- 排尿障害
- 性機能障害
B)他覚的な感覚障害
- 表在感覚障害(しびれ、痛み)
- 深部感覚障害
C)検査所見
- 起立試験もしくはヘッドアップティルト試験における起立性低血圧
- 心血管系の検査異常:CVRR、MIBG心筋シンチグラフィー
- 腹部画像検査における消化管運動障害
- 薬物点眼試験における異常
- ガム試験、シルマー試験
- 発汗試験における異常
- 尿流動態検査における異常
- 末梢神経伝導検査:感覚神経に限局した軸索障害型ニューロパチー
- 神経生検:軸索障害による神経線維の脱落
- 脊髄MRI:脊髄後索のT2強調画像における高信号
- 血漿ノルアドレナリン低値
D)判定
- 組入基準:A1つ以上+B1つ以上+Cのいずれかを認め、他の疾患を区別できる
- 2/3の症例で先行感染を呈する。
- 付帯症状としては睡眠時無呼吸や性格変化、内分泌障害などがある。
- 感覚症状は四肢の他に体幹、顔面、頭部にも出現しうる。
自己免疫性消化管運動障害(AGID)
一次調査組入基準
A)臨床症状
- 嚥下困難
- 胃もたれ
- 腹部膨満
- 便秘
- 下痢
- イレウス
- 排便困難
B)検査所見
- 画像検査・消化管生理機能検査にて消化管運動障害
- 画像検査における器質的な閉塞機転なし
C)病原性自己抗体
- 自律神経節アセチルコリン受容体抗体陽性
D)判定
- 組入基準Definite:A1つ以上+B2ついずれも+Cを認め、他の疾患を区別できる
- 組入基準Probable:A1つ以上+B2ついずれも、を認め、他の疾患を区別できる
- 病原性自己抗体陽性はLIPS(長崎川棚医療センターもしくはコスミックコーポレーション)、RIA(米国研究室もしくはRSR社キット)によるものとする。
- Probable症例で病原性自己抗体未測定の場合は測定を促す(費用についてはコスミックコーポレーション測定の場合は研究費負担)。
- 消化管運動障害とは食道アカラシア、食道痙攣、胃麻痺、慢性偽性腸閉塞症などを指す。
- 今回の調査では最終的には抗体陽性AGIDを調査対象とする(抗体陰性AGIDは類似する疾患群との鑑別が難しく、今後の課題とする)。